「イングリッシュホルン」という楽器をご存知ですか?
「ホルン」という名前がついているので、金属で出来たラッパのような楽器を想像するかもしれませんが、実は「オーボエ」という楽器の仲間なんです。
この記事を最後までお読み頂くと、イングリッシュホルンの魅力・特徴やオーボエとの違いを知ることができます!
それでは「イングリッシュホルン」について詳しくご紹介していきます!
やっぱり、どんな音がするのかが一番気になるなぁ~!
イングリッシュホルンの音色
さっそく、イングリッシュホルンの音色を聴いてみましょう。
「オーボエの仲間」と言われるとオーボエのような音色が鳴りそうですよね。
実際はどんな音なのでしょうか…?
いかがでしょうか。
見た目はオーボエと似ていますが、音色は全く違いますよね…!
柔らかく温かい、なんだかホッとするような響きです。
吹奏楽やオーケストラでは、この音色を活かしてソロを担当する機会も多いです。
イングリッシュホルンが活躍する曲の中でも、特に有名な曲としてあげられるのは、ドヴォルザーク作曲「交響曲第9番<新世界より>の第2楽章」です。
どうぞお聴きください。
(イングリッシュホルンのソロは1分ごろから始まります♪)
誰でも一度は聞いたことのあるメロディだったのではないでしょうか。
このとても有名なフレーズは、実はイングリッシュホルンで演奏されていたんです。
イングリッシュホルン、とってもキレイな音だなぁ。
何だか、オーボエと比べると低い音が出ているような気がするよ。
そのとおり、オーボエとイングリッシュホルンは演奏できる音域も違うんです。
せっかくだから、次は音域を紹介しますね。
イングリッシュホルンの音域
イングリッシュホルンの音域は、上図の通りです。
オーボエの音域と比べてみましょう。
実際に比べてみると、オーボエよりも低音域の音が出る楽器だということがわかりますね。
具体的に言うと、オーボエより「完全5度」低い音が出ます。
重厚感のある低音は、イングリッシュホルンの魅力のひとつです。
ここで、オーボエとイングリッシュホルンの音域の違いを実際に感じて頂くためにぴったりの曲をご紹介します。
ベートーヴェン作曲「オーボエとイングリッシュホルンのための三重奏曲 Op.87」をお聴きください。
いかがでしょうか。
オーボエとイングリッシュホルンのアンサンブル、美しいですね。
それぞれの楽器の音域や音色の違いを感じて頂けたのではないでしょうか。
音域や音色が違うのはよくわかったんだけど、動画を見ていると、楽器のサイズや形も違うように感じたよ!
よく気づきましたね。
では次はふたつの楽器の見た目の違いを見てみましょう!
イングリッシュホルンとオーボエの見た目の違い
イングリッシュホルンは、オーボエの仲間というだけあって一見とても似ています。
しかし、並べて比べるとその違いがよくわかります。
まず楽器本体の長さですが、イングリッシュホルンの方が長いです。
オーボエよりも音域が低いのはそのためです。
長いだけでなく、太く重いので持つとずっしりとした重厚感があります。
イングリッシュホルンの見た目の大きな特徴は、なんといっても「ベル」の形。
円錐形をしているオーボエに比べ、イングリッシュホルンのベルは洋ナシのようにふっくらとしています。
あの柔らかい音色はこの特徴的な形のベルが作り出しているんです。
また、イングリッシュホルンには楽器本体とリードの間には「ボーカル」という細長い管があります。
ここもオーボエとは大きく異なる点ですね。
そして、リードにも違いがあります。
オーボエとイングリッシュホルンは、異なるリードを使用します。
残念ながら、同じリードを使いまわすことはできません。
長さを比べると、オーボエのリードよりも短いですね。
これは、イングリッシュホルンにはボーカルがあるためです。
リード単体は短いのですが、ボーカルにリードを差し込むとオーボエのリードとは比べ物にならないほどの長さになります。
イングリッシュホルンとオーボエの演奏上の違い
ここまで、イングリッシュホルンとオーボエの音色・音域・見た目の違いをご紹介してきました。
ふたつの楽器は似ているようで全く違う魅力や特徴を持つということをお伝えしましたが、イングリッシュホルンとオーボエは演奏上の違いはあるのでしょうか?
指使い
イングリッシュホルンは、オーボエと同じ指使いで演奏することができます。
左手人差し指の「ハーフホール」の操作が少しだけ異なるので違和感を覚えるかもしれませんが、すぐに慣れると思います。
アンブシュア
アンブシュア(リードをくわえる口の形)も、オーボエと同様です。
オーボエを演奏できる人であれば、すぐに音を出すことができるでしょう。
リードのサイズが異なるので、力加減やリードをくわえる深さなどは研究や練習が必要となります。
息使い
リードが大きいだけでなく楽器本体も長く太いぶん、オーボエよりもたっぷりの息が入ります。
そのためイングリッシュホルンにはオーボエほどの息苦しさはありません。
「イングリッシュホルンの方が息が入るから吹きやすい」という声もよく聞きます。
姿勢
姿勢(体の使い方)は、イングリッシュホルンとオーボエで大きく異なります。
楽器の長さが違うため、特に下管のキィを押さえる右手がオーボエと比べるととても遠く感じます。
違いがよくわかる、イングリッシュホルンとオーボエのデュエットの動画をご紹介します。
体の使い方や、楽器の角度に注目してご覧ください。
いかがでしょうか。
オーボエは楽器を高く上げて演奏しますが、イングリッシュホルンはあまり上げずに演奏していることがわかるかと思います。
また、オーボエよりも重いため、楽器を支える右手に大きな負担がかかります。
イングリッシュホルンを演奏する際は右手の負担を軽減するために「ストラップ」をつける奏者が多いです。
似ているようで意外と違うね!
イングリッシュホルンとオーボエは、仲間ですがあくまで別の楽器です。
それぞれの特徴に合った吹き方や体の使い方をする必要があるんですね。
奥が深いんだね。
ふたつの楽器を吹き分けるのは大変そうだなぁ。
僕も慣れるまでは大変でしたね。。。
それでは最後に「持ち替え」についてご紹介します!
イングリッシュホルンとオーボエの持ち替え
イングリッシュホルンは、オーボエ奏者が持ち替えて演奏します。
曲の中のごく一部だけイングリッシュホルンに持ち替えて演奏する場合もあれば、一曲まるごとイングリッシュホルンで演奏する場合もあります。
吹奏楽やオーケストラの演奏会で、オーボエ奏者の横にイングリッシュホルンが置いてあるのを見つけた時は、ぜひ持ち替えにも注目してみてください。
まとめ
以上、「イングリッシュホルン」についてご紹介しましたがいかがでしたか?
イングリッシュホルンとオーボエについて、少しでも興味を持って頂けたなら嬉しいです!
それでは最後に改めてこの記事の内容を箇条書きでおさらいしておきましょう。
- オーボエの仲間の木管楽器です。
- オーボエとは全く異なる音色がします。
- オーボエよりも低い音が出ます。
- オーボエと同じ指使いで演奏できます。
- オーボエ奏者が持ち替えて演奏する場合が多いです。
最後までお読み頂きありがとうございました!
イングリッシュホルンについて、少しマニアックな内容を紹介した記事もございます!
以下のリンクよりぜひご覧ください♪
マニアックな内容、って?
・なぜ「ホルン」なの?
・別名の「コールアングレ」って?
・「F管」ってどういうこと?
などをご紹介しています!
この記事が少しでも皆様のお役に立てたのなら嬉しいです。
本日も皆さんの暮らしが音楽にあふれる素敵な1日になりますように。
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