皆さんは「イングリッシュホルン」という楽器をご存知ですか?
「ホルン」という名前がついていますが、「オーボエ」の仲間の木管楽器です。
この記事は、「イングリッシュホルン」の見た目や音色は知っているけど、もっと詳しく知りたい!という方に向けたものです。
「イングリッシュホルン」と「コールアングレ」の関係や、イングリッシュホルンの名前の由来について、画像を交えてわかりやすく解説しています。
そもそも「イングリッシュホルン」がどんな楽器なのか知らない方は、先に以下の記事をお読み頂くことをおすすめします。
見た目はオーボエに似ているけれど、音色は全然違うんだよね。
素朴で哀愁漂う感じがとってもすてき!
イングリッシュホルンとコールアングレ
イングリッシュホルンのことを「コールアングレ」と呼んでいる場面に出会ったことはありませんか?
実は「コールアングレ」とはイングリッシュホルンのこと。
同じ楽器のことをさしているのです。
英語だと「English Horn(イングリッシュホルン)」、フランス語だと「Cor anglais(コールアングレ)」と呼ばれています。
どちらの言語でも「イングランド(イギリス)のホルン」という意味です。
日本では、どちらの呼び方も使われています。
なぁんだ、イングリッシュホルンとコールアングレは同じ楽器のことだったんだ。
初めて聞いたときは混乱しちゃったよ。
日本では「コールアングレ」を略して「アングレ」と呼ぶ人も多いですね。
名前の由来
それでは、名前の由来について解説していきましょう。
まず、先ほどもお伝えしましたが「イングリッシュホルン」「コールアングレ」は、日本語にすると「イングランド(イギリス)のホルン」という意味です。
イングランド発祥のホルンってこと?
そう思いますよね。
でも、イングランドとも金管楽器のホルンとも関係ないんです(笑)
実は、イングリッシュホルンの名前の由来は諸説あります。
少し調べてみるだけでも色んな説が出てきて、どれが本当なんだろう…?と混乱すること間違いなしです(笑)
ここでは、そのうち3つの説をご紹介していきます。
①「天使の角笛」説
イングリッシュホルンの先祖にあたる「オーボエ・ダ・カッチャ」という楽器があります。
湾曲した管体の先に、トランペットのようなベルがついたダブルリード楽器です。
この特徴的な形が、中世の宗教画に出てくる”ラッパを吹く天使“を連想させるため、「天使の角笛」と呼ばれるようになったそう。
たしかに、ベルの形が似ていますね。
この「天使の角笛」をドイツ語にすると「Engellisches Horn」となるのですが…
「engellisch」という単語には、[ 天使の ]という意味の他に[ イングランドの ]という意味があるのです。
もうお分かりですよね(笑)
「天使の角笛」という素敵な名前だったはずのオーボエ・ダ・カッチャが、いつの間にか「イングランドのホルン」という意味の「イングリッシュホルン」と呼ばれるようになってしまったのです。
そうして、現代の「イングリッシュホルン」へと繋がる…ということです。
「天使の角笛」のまま現代まで伝われば「エンジェル・ホルン」とかだったのかな?
…かもしれませんね(笑)
これが、「天使の角笛」説です。
②「イギリスの角笛」説
次にご紹介するのはとってもシンプルな説です。
それは、18世紀ごろのイギリスで狩猟に使われていた角笛に似ているから…というもの。
【イギリスの(English)、角笛(Horn)】でイングリッシュホルンになった、ということですね。
ホルンは、狩猟に使われていた角笛が祖先の楽器です。
そのため、Hornという単語には「つの」や「角笛」という意味もあります。
そして「ホルン / 角笛」は、フランス語では「Cor(コール)」となります。
コールアングレの「コール」は、ここから来ているのです。
「イギリスの角笛」説でした。
次は、少しややこしい「曲がった角笛」説です!
③「曲がった角笛」説
ここで再び、「天使の角笛」説でも出てきた「オーボエ・ダ・カッチャ」が登場します。
イングリッシュホルンの祖先である「オーボエ・ダ・カッチャ」は曲がった形が特徴の管楽器です。
その形状から、「曲がった角笛」と呼ばれることもあったようです。
「曲がった角笛」は、フランス語だと「Cor angle(コール・アングル)」。
「Cor(コール)」は「角笛」、「angle(アングル)」は「曲げる」という意味です。
なんだか、「コールアングレ」に似ていますね。
ここまで言えば、何が起きたかは何となく想像できるかと思います。
コールアングル…コールアングル…コールアングレ…
そう、言い間違えたまま広まってしまった…(笑)
もともとは「曲がった角笛」という意味でCor angle(コール・アングル)と呼ばれていたものが、言葉の似ているCor anglais(コール・アングレ)となってしまったのです。
言い間違えで広まったのだとしたら、悲しすぎる!(笑)
まとめ
イングリッシュホルン(コールアングレ)の名前の由来についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
由来には諸説ありますが、どれが真実かはわかりません。
どれを信じるかはあなた次第です(笑)
イングリッシュホルンの音色や、オーボエとの違いを解説した以下の記事もぜひご覧ください。
この記事が少しでも皆様のお役に立てたのなら嬉しいです。
本日も皆さんの暮らしが音楽にあふれる素敵な1日になりますように。
コメント